ポジティブリスト

http://www.sankei.co.jp/news/060326/sha026.htm
[Sankei Web]

ピンチ? 年代物ウイスキー 寝かせている場合じゃない!?

≪たる…残留農薬、規制強化≫

寝かせば寝かすほど味がまろやかになるウイスキー。木たるで数十年間貯蔵された舶来の年代物が、5月末に導入される食品の残留農薬を規制する「ポジティブリスト制度」の余波で「簡単に口に入らなくなるかも」と関係者の間で心配する声が上がっている。

食品に含まれるすべての農薬を規制するこの制度が始まると、輸入業者は現地での農薬の使用調査を迫られる。可能性のある農薬を絞った上で検査しないと膨大な手間とコストがかかるためだ。生鮮食品は生産地に聞けば分かるが、数十年前の洋酒の製造にどんな農薬が使われたか記録はあまりない。輸入時の検査にひっかかり販売禁止になれば業者には大打撃だ。

同制度は世界中からさまざまな食品が流れ込む中で「食の安全」を確保するため5月29日からスタート。従来は指定された農薬だけに基準値を定め、ほかの農薬は食品中にいくら含まれていても自由だったが、今後は基準のなかった農薬も、0.01PPMを超えると一律流通禁止になる。

このため食品関連企業の多くは生産段階の農薬の有無を調べたり、検査体制の整備を進めているが、長期間貯蔵するウイスキーやワインの輸入業界は「数十年もさかのぼって原料やたるに使われた木への農薬を調べるのは、中小の業者には難しい」と困惑する。

厚生労働省は、経過措置として「導入までに瓶詰めした製品には新制度を適用しない」と配慮を示した。瓶で貯蔵しても価値が上がるワインには一定の効果が見込まれるが、ウイスキーは「たるで貯蔵しないと価値は上がらず意味がない」(業者)という。

日本洋酒輸入協会(東京)は「説明会を開いたが、(今まで通り流通できるか)不安を訴える業者は多かった」と戸惑う。一方、大手洋酒メーカーは「ウイスキーは高温で蒸留するので農薬は残りにくい。自社で検査してみたが、農薬は検出されていない。心配するほどのことはない」としている。

【2006/03/26 東京朝刊から】

◇【用語解説】残留農薬のポジティブリスト制度

食品に含まれる残留農薬を全面的に規制する制度で、どんな農薬でも0.01PPMを超えて含まれていれば販売禁止にし、特定の799種の農薬類には別に基準値を定めている。日本はこれまで、農薬や飼料添加物、動物用医薬品の合計283種類だけに基準値を設け、それ以外の農薬がどんなに残留していても自由に流通していた。政府は平成15年の食品衛生法改正で導入を決定した。

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