先日白馬号から外した使用済み部品の検証についての覚え書き。OH前の走行状態の印象との関連付けのために。
- 外したウェイトローラー6個をまとめて計量した値は54g。摩耗は極軽いことから、このローラーが何グラムのものかを推定するにあたって9gか9.5gかという話で言えば、全体で3g分減っているとは思えないので規格値9gのものがついていたものと推測できる。
- プーリーは最高速位置の段付摩耗が進んでいた。使用限度だろう。
- 純正のプーリーのローラー溝は上と下が単純な直線で接する坂道のような溝形状だった。特に最高速側でローラーの同じ面が常時溝のアタリ面に接触していることが想像でき、これがジャイロ系のメンテ画像でよく見るローラーがおにぎり状に偏摩耗するトラブルの遠因であるように思う。
- 今までY型以降の触媒付きのエンジンはトルクカムが違うと思っていたが、実際についていた部品を見てもまた改めてパーツリストで調べ直した知見からもトルクカム形状を含めたムーバブルドリブンフェースの設計には変更はないようだ。(つまり俺の勘違いだった)
- 外したプーリーの内面の刻印には「GR1-88 #2-2」、「HM R1R」、「METTS」の三つの刻印があった。P型ジャイロキャノピーのプーリーの中番がGR1であるからこのプーリーはP型のもので間違いはない。HONDA SCOOTER LIST [link] によれば中番GR1はAF12 DJ1/DJ1-R由来を意味するが、付帯する番号としてR1Rが付け加えられているのでこのプーリーはAF19 DJ1-RRの部品として開発されたものということになる。(AF19の発売年度は88年なので推測される刻印の意味合いとも符合するものと思われる)
- 今までY型以降の触媒付きのクラッチアウターが軽いタイプだと思っていたが、パーツリストで調べ直したところキャノピーのアウターは2種類でM型用とP型以降の太軸モデルの2型番しか存在しないようだ。ただしクランク軸の太さはクラッチアウターの形状には関係しないので重量の違いがこの二つの型番の違いだと思われる。アウターには一切刻印がないが軽量な470gのものは二個の個体で調べた実測での外周部の暑さが約4.0mmであった。一方、質量の大きい560gの個体ではこれも二個の個体で調べた実測値で約4.6mmであった。内径はどちらも約107mmで有為な違いはなかった。
Y型用のサービスマニュアルで調べてみたがドラム部分の厚みについては記述がなく内径107.5mmが摩耗限界であるとの記述のみで、寸法から二種類のクラッチアウターの適合を特定する参考にはならなかった。ただし、マニュアルに掲載されている写真を見るとクラッチアウターのパーツにおそらくは製造工程でのバランス調整のためのボーリング加工の痕跡のようなものが認められる。手元にある中古部品の二種類のうち軽量な470g仕様のものについてはこの加工がなく、560g仕様のものには同様な加工が施されている。このことから、あくまでも推測ではあるが軽量な470gのフライホイールは細軸のM型に使用されていたパーツではないかと思われる。この推測は、手元にある中古部品のうち軽量な仕様のもののほうが全般に摩耗の程度が進んでいるという事実に照らしても矛盾はない。が、確証に至る材料とはいえない。新品の部品をとってみればはっきりするのだが、一つにはM型の部品はもうでないかもしれないことと、もう一つには純正部品の値段と社外品の軽量クラッチの値段には差がないことから軽量クラッチを純正ベースで自分で加工するとかそういう目的以外にはこのことを検証する意味がない。現時点では保留とする。(TYPE-R遊びという意味では純正部品で軽いやつの品番を明らかにする意味はあるのだが)