しつこさこそ質の濃さ
Archive for 2009年10月8日
技術は人間の能力を拡張する。その能力でヒトは罪もおかす。罪を押さえるのはモラルだ。技術が拡張される時、モラルも遅れずに更新されなければならない。
それが技術批評の役割であるとすればいろいろな立場から技術を批評するものが出てくるべきだろうと思う。技術批評という言葉が単に新製品のレビューを書きなぐるだけの仕事にあてがわれているとしたらそれは不幸な現実だ。エンジニアと批評家の関係はセルジュゲンズブールとボリスヴィアンのそれなのかもしれん。(謎)
かつて銀塩写真の最盛期にあった頃チバクロームやダイトランスファーなどのプリントマテリアルは保存寿命300年以上を謳い、パーマネンスを求められるアートの市場でその価値を信頼され「高級プリント素材」として迎えられたのだと思うがその歴史はまだせいぜい60年くらい。未だ実際に300年を越えた一葉の写真はない。(ダイトラに関しては60年よりは古いものがあるのかもしれない)写真の歴史がまだ170年に過ぎないのにやれ200年だ300年だというのは写真に取り憑いた「保存」という名前の一つの病気だと思う。あるいはそれは人間に取り憑いているのかもしれないが。
一方でその時代ごとに新しい写真の流れを形成してきたのはおおむね紙メディアの荒い網点の印刷で複製され配信された、一部は切り取られ愛好家に保存されることで残りはしたものの、運命としては棄てられあるいは薄暗い部屋の壁にとめられて北窓の光と湿気で褪色して滅び去ってしまった多くの写真だったことも否定はされないはずだ。それはまぁ極端なたとえ話かもしれないが。
確かに膨潤紙には湿気のある環境で重ねると貼付くという欠点もあるし、染料系インクの褪色耐性は加速試験のようなことをすれば顔料インクに劣るかもしれない。でもすべてのメーカーが顔料インクのプリンタしか出せないような環境になってしまうのはちょっと哀しいことのような気がする。まぁたぶんA4機では染料インクも残るだろうからそうしたら小型プリントだけで写真を作ればいいことではあるけれども。
昨日というか一昨日、3000円で何やらします展の初日に顔出ししたあとで久しぶりに中目黒のたくろうにいってカマタさんといろいろ話している時にしばらく引っかかっていた疑問の一つが氷解したので書いておく。
最近の流行に反してずっと染料インクのプリンタを使って膨潤紙に出力するのが好みでそれを続けてきたのだけれども。別にこだわっているつもりはなくてでもなぜかそうしてきた理由についていままでは単に何となくそうなんだと思っていただけだったけど、コスモスの展示で200人からの出展者のプリントを見たあと、カマタさんに「なんかこのプリント写真っぽいですけど自分でやってるんですか」と訊かれてその工程について説明している中で気づいたんだけど、結局多孔紙に顔料インクで出したプリントってリトグラフなんだよね。いままで馴染んでいた「写真」のマテリアルならダイトラだろうとバライタだろうとチバクロームだろうと例外なく幕面の中に色が散在して画像を作っている。でも顔料インクとそれに最適化した多孔紙ではどちらかというと紙の表面に盛り上がって画像を生成している。スキャンだとわからないかもしれないけれども肉眼で見るとその微妙な立体感を目がとらえてしまうから何となく違和感が残る。そういうことかなと思った。
降水短時間予報というのをコッコちゃん(謎)に教えてもらってみたのだけれども
...というようなカンジで雲がびっしりとありすぎてどこが陸地なのか全くわからない。これフツーの雨の時には問題ないデザインなのかもしれないけどこういう情報を多くのヒトが見るのは今回みたいな大型台風のときとかだろうからまずいんじゃないの。せめて海岸線くらいわかるようなデザインにしておかないと。
とりあえずいま豪雨に類する降りに見舞われているのは紀州と富士山麓と南アルプスの辺りらしい。東京も零時を回る頃から雨が激しくなってきた。直撃は来ないと思うけれども明日の昼過ぎから夕方が一番激しいかなというところ。白馬号が倒れないかということと、ベランダの荷物が吹き飛ばされてヒトにあたったりしないかということが心配。工具や鉄製のパーツなどは家の中に入れたのでいま部屋がガレージのような状況になっている。明日は仕方がないからろう城してデータ仕事します。こんな火に幕張くんだりで仕事をするヒトもいるようですがどうぞお気をつけて。土木の方々も明日以降大変かもしれませんが頑張って下さい。(やや他人事)